仕事中にFXチャートを見られないサラリーマンはどうする?「見ない前提」の取引方法

仕事中にFXチャートを見られないサラリーマンはどうする?「見ない前提」の取引方法
  • 会議中や作業中に「今ごろ相場はどうなっているだろう」と気になって、仕事に集中できない
  • ポジションを持ったまま出勤すると、度々スマホでチャートを確認してしまう
  • 本業に支障を出さずにFXを続けられる方法を知りたい

FXでポジションを保有したまま出勤すると、仕事中も値動きが気になることがあります。仕事中もチャートが気になるのは、意志の弱さだけが原因とは限りません。

しかし、このまま仕事中もなんとかチャートを確認する方法を探し続けても、根本的な解決にはなりません。本業に支障を出さずにFXを続けたいなら、見るべきは確認の仕方ではなく取引の組み立て方だからです。

この記事では、勤務中にFXを操作する際の職場上の注意点を整理します。取引条件や注文方法などを説明し、出勤前の取り組み方法を解説します。

この記事を読めば、出勤前や帰宅後に必要な判断を整理し、勤務中の確認や売買判断を減らす方法が分かります。

サラリーマンがFXと本業を両立させる鍵は仕事中でもチャートを見る方法ではなく、チャートを見なくても成立する取引ルールを作ることです。

仕事中はFXチャートを見ない前提で考える

サラリーマンには、会議・顧客対応・現場作業・PC作業など、自由に相場を確認できない時間が必ずあります。

それなのに、相場は随時チェックするものという前提で取引を組み立てると、勤務中も常にチャートが気になり、仕事にも取引にも集中しきれない状態が続いてしまいます。

サラリーマンは、勤務中にチャートを見ない前提で取引を組み立てる必要があります。目指すのは仕事中でもチャートを確認できる状態ではありません。チャートを確認しなくても、決めたルールどおりに取引が成立する状態です。

そのために、出勤前や帰宅後に次の5つを決めておきましょう。

  • エントリー条件
  • 損切り位置
  • 許容損失額
  • 取引数量
  • 利益確定(利確)・損切りの注文

エントリー条件・損切り位置・許容損失額・取引数量・決済注文を事前に決めておけば、勤務中に新たな売買判断を減らせます。

1日の流れにすると、次のようになります。

相場分析 → 損切り位置を決める → 取引数量を決める → 注文を設定する → 勤務中は本業に集中する → 帰宅後に振り返る

この流れを作れれば、勤務中に相場を確認しなければという気持ちそのものが減っていきます。

勤務中のFX取引は避けるべき理由

勤務中はFX取引するべきではないです。その理由を以下で解説していきます。

勤務中のFX操作は本業への支障になる

勤務中にFXを操作するのは、本業に支障が出るので避けましょう。

厚生労働省が示すモデル就業規則などの資料では、勤務中の職務専念や、会社の施設・物品を職務以外の目的で使用しないことなどが服務規律の例として示されています。実際の取り扱いは勤務先の就業規則を確認してください。会議中にFXアプリを操作したり、会社のPCや業務用ネットワークからFXサイトへアクセスしたりする行為は、こうした規律に抵触する可能性があります。

大切なのは、会社に気づかれなければよいという発想ではなく、勤務中にFXを操作しなくても済む取引設計を目指すことです。

公務員は職務専念義務にも注意する

公務員の場合は、勤務中のFX操作について職務専念義務も確認する必要があります。国家公務員法や地方公務員法には、職務に専念する義務が定められているためです。

FXに限った話ではありませんが、勤務中については、私的な取引に時間を使うことで職務専念義務等に抵触しないか確認しましょう。サラリーマン・公務員を問わず、勤務中は相場を追わない運用を基本にしておくと安心です。

なお、副業に該当するかどうかや税務上の扱いは勤務先の規定や個人の立場によって確認すべき事項が異なります。「FXは法律上、副業ではないから問題ない」と一律に断定できるものではない点には注意してください。

仕事中にFXチャートが気になる原因を見直そう

注文は入れているのに、なぜか仕事中も気になってしまうという場合、原因は主に3つに整理できます。

① 損切り条件が決まっていない

どこで撤退するかが決まっていないと、勤務中も値動きを確認したくなりやすくなります。下がったら考えるという姿勢では、チャートを見られない時間に決済判断ができません。

たとえば150円で買ったなら、「149.50円まで下落したらシナリオ終了」と、エントリー前の段階で決めておきます。ポジションを持ってから出口を考えるのではなく、あらかじめ用意しておく姿勢が重要です。

② 取引数量が自分の許容範囲より大きい

損切り注文を入れているにもかかわらず、仕事中に何度も取引状況を確認してしまうなら、取引数量そのものを見直してください。損切りされた場合の損失額が心理的に受け入れにくい水準だと、値動きが仕事中も気になりやすくなります。

会議中にも含み損が気になる、トイレに行くたびにスマホを見てしまう、損切り価格を遠ざけたくなる——こうした状態に心当たりがあるなら、いくら稼げる数量かではなく、損切りされても本業と生活を問題なく続けられる数量かという基準で数量を見直しましょう。

③ 取引スタイルが勤務時間と合っていない

短時間で何度も判断が必要な取引スタイルは、長時間チャートから離れる勤務形態とは相性がよくありません。日中に頻繁な判断が求められるのに勤務中はスマホを確認できない。そんな状態が続くなら、帰宅後だけ取引する、より長い時間足で相場を見るなど、自分の生活リズムに合わせた取引スタイルへの見直しを検討してみてください。

サラリーマンだから特定の手法が正解というわけではなく、自分が実際に監視できる時間に合わせて取引方法を選ぶという視点が重要です。

サラリーマンは出勤前に取引条件を決めておく

勤務中の判断を減らすために、出勤前にできるだけ次の4つを決めておきましょう。

① エントリーする条件を決める

上がりそうといった漠然とした感覚ではなく、エントリーする条件を具体的に決めておきます。条件が曖昧なままだと、勤務中の小さな値動きにまで反応して判断したくなってしまいます。

支持帯まで下落して反発したら買う、直近高値を上抜けたら買う、といった条件に加え、その条件を満たさなければ取引を見送るというルールまで事前に決めておくことがポイントです。

② シナリオが崩れる損切り位置を決める

損切り位置は、必ずエントリー前に決めておきます。含み損を抱えてから判断しようとすると、戻ってほしいという感情が入り込みやすくなるためです。

「20pipsで損切り」というように値幅だけを先に決めるのではなく、「この安値を割ったら買いの根拠自体が崩れる」という視点で、エントリー根拠が崩れる位置から損切りラインを導き出しましょう。

損切り位置の決め方については、以下の記事で詳細解説しておりますので、参照ください。

③ 許容損失額から取引数量を決める

損切り位置が決まったら、許容できる損失額から逆算して取引数量を決めます。同じ1万通貨でも、損切りまでの値幅が違えば想定される損失額は変わってきます。

たとえば損切りまでの距離が40pips、許容損失額が3,000円だとすれば、その範囲に収まる数量を計算して発注します。ロット数を先に決めるのではなく、損切りされたらいくら失うかから数量を決めるという順番を意識してください。

具体的な計算式とロットへの換算方法は、FXの取引数量・ロット計算記事で解説していますので、参照ください。

④ 利益確定と損切りの注文を入れる

勤務中にチャートを確認できないことを前提に、必要な決済注文まで事前に設定しておきます。逆指値で損切りを、OCOで利益確定と損切りの両方を、IFOなら新規注文から利益確定・損切りまでを一括で設定することができます。

注文機能は取引回数を増やすためのものではなく、勤務中に残る判断を減らすために活用するものだと捉えておくと使い方がぶれません。

IFO注文の具体的な仕組みや、新規価格・損切り価格・取引数量を決める順番は、FXのIFO注文の使い方で詳しく解説しています。

仕事中の判断を減らすFX注文方法を使い分ける

自分の状況に合わせて、次のように注文方法を使い分けます。

取引したい状況注文方法
今の価格ですぐ売買したい成行
狙った価格まで待ちたい指値
損切りや価格突破を条件にしたい逆指値
利益確定と損切りを両方設定したいOCO
新規+決済注文を設定したいIFD
新規+利益確定+損切りまで設定したいIFO

指値・逆指値でエントリーと損切りを予約する

エントリー価格や損切り位置がすでに決まっているなら、指値・逆指値を積極的に活用しましょう。狙った価格になるまで画面を監視し続ける必要がなくなります。

たとえば現在価格が150円のとき、149.50円まで下がったら買いたいなら買い指値を、149円を割ったら損切りしたいなら売り逆指値を入れておきます。「価格が来たら考える」のではなく、価格が来る前に判断を終わらせておくことがポイントです。

新規・決済や買い・売りによる使い分けに迷う場合は、FXの指値・逆指値の違いで判断方法を確認してください。

OCOで利益確定と損切りの2つの出口を設定する

保有ポジションについて、利益確定と損切りの両方をあらかじめ設定したい場合はOCO注文が使えます。一方の注文が成立すると、もう一方の注文は自動的にキャンセルされます。

150円で買ったポジションに対し、151円で利益確定、149.50円で損切りというように設定しておけば、いずれかの注文が約定すると、その注文で決済され、もう一方の注文は取り消されます。OCOは両建てのための注文ではなく、1つのポジションに2つの出口をあらかじめ用意しておく注文方法だと理解しておきましょう。

OCOは「One Cancels the Other」の略称です。「利益確定」と「損切り」の2つの注文をあらかじめセットで入れておき、どちらか一方が成立したら、もう一方は自動的にキャンセルされる注文方法です。

IFD注文は「if done(もしできたら実行)」の略で、新規注文が約定したら決済注文を実行します。IFOとは、「新規注文」と、その注文が約定した後の「利益確定・損切り注文(OCO)」をまとめて設定できる注文方法です。

IFOで新規注文から利益確定・損切りまで事前設定する

勤務中にエントリー条件へ到達する可能性がある場合は、IFO注文も選択肢になります。IFOでは、新規注文と同時に利益確定と損切りの決済注文を予約できます。新規注文が約定すると、2つの決済注文が有効になります。

149円で新規買い、151円で利益確定、148.50円で損切り、というように、入口から出口まで一連の流れを事前に設定しておけば、勤務中に新たな操作をする場面を減らせます。

なお、逆指値を設定していても、またFX会社のロスカットルールがあっても、損失額が一定額に必ず収まるわけではありません。相場が急変した場合には、想定を超える損失が生じる可能性がある点には注意してください。「注文さえ入れておけば安全」というものではなく、あくまでリスクを管理するための手段の一つです。

勤務中にチャートを見ないための1日の流れを作る

ここまでの内容を踏まえ、出勤前・勤務中・帰宅後という1日の流れに落とし込んでみます。

出勤前|必要な判断と注文を済ませる

出勤前に、その日の取引で必要な判断をできる範囲で済ませておきます。相場環境を確認し、エントリー条件、損切り位置、取引数量を決め、必要であれば注文まで設定しておきましょう。判断を勤務時間へ持ち越すほど、勤務中にチャートを確認したくなってまいます。

勤務中|予定外の売買判断をしない

勤務中は、原則として新しい売買判断を増やさないようにしましょう。値動きを見るたびに計画を変更していては、事前にルールを作った意味が薄れてしまいます。

予定外の判断例

・損切り位置を遠ざけない
・予定外のナンピンをしない
・損失を取り返すために数量を増やさない
・SNSの予想だけで注文を変更しない

勤務中は、相場を判断する時間ではなく、本業へ集中する時間と決めておきましょう。

帰宅後|損益より事前ルールを守れたか確認する

帰宅後は、勝ち負けの結果だけでなく、計画どおりに取引できたかどうかを振り返ります。ルールを破って結果的に利益が出ても、同じ行動を繰り返していると取引管理そのものが崩れやすくなります。

エントリー条件を守れたか、損切り位置を勝手に変更しなかったか、予定外の取引を追加しなかったか。こうした点を確認する習慣が、長く続けられる取引管理につながります。

出勤前・勤務中・帰宅後など日々の行動に落とし込みたい方は、以下の記事も参考にしてください。

仕事中もFXチャートが気になるなら3つを見直す

事前にルールを決め、注文も入れているのに、それでも仕事中に相場が気になってしまう場合は、次の3つを見直してみてください。

取引数量をさらに小さくする

事前注文を入れていても価格が気になるなら、自分の許容範囲に対して損失額が大きすぎる可能性があります。「損切りされたら仕事に集中できない」と感じるような数量であれば、思い切って小さくするか、その取引自体を見送ってみましょう。

ポジションを持たずに相場を観察するだけでも、多くの学びを得られることがあります。

確認頻度の低い時間足へ変更を検討する

勤務中の監視頻度が高くなりすぎているなら、より長い時間足へ変更してみましょう。数分単位の値動きを判断材料にするほど、確認したくなる機会は増えていきます。5分足だけを追うのではなく、1時間足・4時間足・日足なども含め、自分が無理なく確認できる時間を選ぶことが大切です。時間足は勝率を高めるためだけでなく、自分の生活で無理なく判断できるかという観点でも選んでよいものです。

管理できない日はポジションを持たない

注文機能を活用できるとしても、毎日必ずポジションを持つ必要はありません。終日重要な会議が入っている日、自分のルールでは対応しづらい重要イベントが控えている日、体調が悪く判断に自信が持てない日などは、無理に取引しない選択も立派な管理方法です。「その日は取引しない」ことも、サラリーマンがFXを続けるための一つの手段だと考えておきましょう。

毎日取引する必要があるのか迷う方は、FXは毎日取引しなくていい?サラリーマンが見送る5つの判断基準も参考にしてください。

仕事中のFX取引に関するよくある質問

常時監視しない前提での取引設計は可能です。指値・逆指値・OCO・IFOなどを活用すれば、エントリーから決済までを事前に設定できます。見る回数を増やす方向ではなく、見なくても成立する状態を作る方向で考えましょう。

一律に「大丈夫」とは言えません。取引数量、損切り設定の有無、相場状況、取引手法によってリスクは大きく異なります。損切り注文が入っていない、数量が自分の許容範囲を超えている、勤務中の手動操作を前提にしている、といった状態であれば見直しが必要です。勤務中に操作しなくても自分のルールが機能する状態かどうかを基準に判断してください。

必ず確認しなければならないわけではありません。必要な確認頻度は取引方法によって異なります。自分のルール上、確認が必要な場合のみ、勤務先の休憩時間やルールの範囲内で確認するようにしましょう。不安だから見るのではなく、事前に決めた確認ルールに従うことが大切です。

アラート機能は補助的に使うことはできますが、勤務中に頻繁な取引を行うための手段にはしないほうがよいでしょう。通知のたびに確認・操作している状態は、チャートを常時監視するのと同じ問題を、通知という形に置き換えているだけとも言えます。注文前の分析や勤務時間外の確認を補助する目的で利用するのが望ましい使い方です。

仕事中にチャートを見なくても成立するFXを目指そう

サラリーマンがFXと本業を両立するために必要なのは、勤務中でも相場を見る方法を探すことではなく、勤務中に相場を見なくてもルールが機能する状態を作ることです。取引判断を仕事中に残せば残すほど、本業への集中とFXの判断が競合してしまいます。

注文を入れる前に、次の項目を一度確認してみてください。

注文前のチェックリスト

  • エントリー条件を決めたか
  • 損切り位置を決めたか
  • 許容損失額を決めたか
  • 取引数量を計算したか
  • 必要な利益確定・損切り注文を設定したか
  • 勤務中に操作しなくても成立する内容になっているか

出勤前や帰宅後に必要な判断を済ませ、勤務中は本業に集中し、帰宅後に落ち着いて振り返る。この流れを積み重ねていくことが、サラリーマンが無理なくFXを続けていくための土台になります。